野田窯 [シルバーウィングでGO]
お盆の帰省中に、野田窯を訪ねた。野田窯は岩手県野田村の玉川地区にあり、海岸のすぐそばである。野田窯の陶芸作家、泉田之也さんもいて、工房で大きな器を制作中の様子だった。
http://yukiya-izumita.com/
声をかけると、制作中にもかかわらず泉田さんが穏やかな顔で出てきて挨拶をしてくれる。
ショップを兼ねるこぢんまりとしたギャラリーには、実に個性的な器が並んでいた。コーヒーカップは何に使うかすぐに分かるが、どのような使い方をしたらいいのかすぐには分からないものもある。
我が山の神は、
「色々な使い方があるのよ。別に、食べ物を入れるだけなく、花を活けたっていいでしょう」
と教えてくれる。
成る程、頭を柔らかくすると、色々な可能性が広がってきそうだ。
展示してある物の中で特に目を引いたのは器の色である。黒褐色で黒に近いものもある。釉薬にはどんな物を使っているのか泉田さんに聞いてみた。黒の色は鉄分の色だということだった。
この三陸海岸は砂鉄が多い。長雨の後は砂浜に砂鉄が大量に溜まっていることがある。磁石で僅かの砂鉄を吸い取るのではなく、手でさらうようにして砂鉄を集めることが出来る。砂鉄を使っているかどうかは分からないがそんなことを連想した。
展示してある物の中でこれを使ってみたいと思う物のひとつにお茶を飲めるような器があったが、それはひとつしかなかった。そこで、似たような印象のコーヒーカップのセットをふたつ頂くことにした。6千円だった。
造形とか美術とか、芸術とかいうものに造詣がほとんどない私は、今までこのような買い物はしたことがない。コーヒーカップはその機能が果たせればよいという考えの持ち主だからである。お宝発見の番組を見ても、あんなものに良くもそんな金額を出せるものだと不思議でしょうがない。
しかし、この器はそうではなかった。何か心に響くものがある。眺めていても飽きそうにない。購入したことを後悔することはないだろう。
一万円札を差し出すと、出てきておつりを持ってきたのが奥様らしい。実に品のいい知的な顔立ちの方だった。久慈市のご出身らしい。
泉田さんの名前を初めて見たのは朝日新聞だった。朝日陶芸展でグランプリを受賞したという記事だった。その時に載っていた見たこともない個性的な形の焼き物の写真は今でもはっきり脳裏に残っている。
岩手県の野田村という片田舎に、このような素晴らしい感覚を持った造形作家がいるということに驚いた記憶がある。
実際に焼く窯は野田村の山間にあるアジア民族造形館のそばにあった。数日前に訪れたときは、そばの高床式展示場には泉田さんの作品も飾ってあった。
玉川海岸にこのギャラリーがあることを教えてくれたのは妹のご主人である。ギャラリーのすぐ近くに住んでいる。妹の話では、自分たちの所有地の土も野田窯の陶芸に使われているということだった。
泉田さんの話によれば8月22日から一週間、都内で展示会を開くそうだ。行ってみたい気もするが、時間が許すかどうか。
なお、アジア民族造形館も一見の価値がある。
そばにある、茅葺きの曲がり屋レストラン苫屋もお薦めだ。宿泊も出来るようだ。ただし、電話がないので予約は葉書で行うという何とも趣がある場所である。もちろん、携帯電話も圏外であった。
アジア造形館のホームページはサーバーが光り回線で繋がっていないらしいので、かなりのんびりしていた。
http://www.vill.noda.iwate.jp/asia/
http://www008.upp.so-net.ne.jp/bunkoh/
http://yukiya-izumita.com/
声をかけると、制作中にもかかわらず泉田さんが穏やかな顔で出てきて挨拶をしてくれる。
ショップを兼ねるこぢんまりとしたギャラリーには、実に個性的な器が並んでいた。コーヒーカップは何に使うかすぐに分かるが、どのような使い方をしたらいいのかすぐには分からないものもある。
我が山の神は、
「色々な使い方があるのよ。別に、食べ物を入れるだけなく、花を活けたっていいでしょう」
と教えてくれる。
成る程、頭を柔らかくすると、色々な可能性が広がってきそうだ。
展示してある物の中で特に目を引いたのは器の色である。黒褐色で黒に近いものもある。釉薬にはどんな物を使っているのか泉田さんに聞いてみた。黒の色は鉄分の色だということだった。
この三陸海岸は砂鉄が多い。長雨の後は砂浜に砂鉄が大量に溜まっていることがある。磁石で僅かの砂鉄を吸い取るのではなく、手でさらうようにして砂鉄を集めることが出来る。砂鉄を使っているかどうかは分からないがそんなことを連想した。
展示してある物の中でこれを使ってみたいと思う物のひとつにお茶を飲めるような器があったが、それはひとつしかなかった。そこで、似たような印象のコーヒーカップのセットをふたつ頂くことにした。6千円だった。
造形とか美術とか、芸術とかいうものに造詣がほとんどない私は、今までこのような買い物はしたことがない。コーヒーカップはその機能が果たせればよいという考えの持ち主だからである。お宝発見の番組を見ても、あんなものに良くもそんな金額を出せるものだと不思議でしょうがない。
しかし、この器はそうではなかった。何か心に響くものがある。眺めていても飽きそうにない。購入したことを後悔することはないだろう。
一万円札を差し出すと、出てきておつりを持ってきたのが奥様らしい。実に品のいい知的な顔立ちの方だった。久慈市のご出身らしい。
泉田さんの名前を初めて見たのは朝日新聞だった。朝日陶芸展でグランプリを受賞したという記事だった。その時に載っていた見たこともない個性的な形の焼き物の写真は今でもはっきり脳裏に残っている。
岩手県の野田村という片田舎に、このような素晴らしい感覚を持った造形作家がいるということに驚いた記憶がある。
実際に焼く窯は野田村の山間にあるアジア民族造形館のそばにあった。数日前に訪れたときは、そばの高床式展示場には泉田さんの作品も飾ってあった。
玉川海岸にこのギャラリーがあることを教えてくれたのは妹のご主人である。ギャラリーのすぐ近くに住んでいる。妹の話では、自分たちの所有地の土も野田窯の陶芸に使われているということだった。
泉田さんの話によれば8月22日から一週間、都内で展示会を開くそうだ。行ってみたい気もするが、時間が許すかどうか。
なお、アジア民族造形館も一見の価値がある。
そばにある、茅葺きの曲がり屋レストラン苫屋もお薦めだ。宿泊も出来るようだ。ただし、電話がないので予約は葉書で行うという何とも趣がある場所である。もちろん、携帯電話も圏外であった。
アジア造形館のホームページはサーバーが光り回線で繋がっていないらしいので、かなりのんびりしていた。
http://www.vill.noda.iwate.jp/asia/
http://www008.upp.so-net.ne.jp/bunkoh/
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