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信長の原理 [シルバーウィングでGO]

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垣根涼介の信長の原理という小説を読んだ。「信長の原理」とはおもしろい題名だ。原理というとその前につく言葉は思考とか行動だと思うが,そういう意味では使われていない。たぶん「法則」という言葉が意味的に近いのではないだろうか。
信長は子供の頃から外で飛び回って遊んでいたが,蟻の動き方に気づいていて,秀吉等に現代で言えば科学的な方法で働き蟻を行動の仕方によって分けさせた。気が遠くなるような手間暇をかけてある法則を発見する。その法則が本能寺の変につながっていくという筋立てだ。
信長は働く蟻と働かない蟻が何匹いるかを数えさせた。すると,蟻は三つの集団に分けられた。Aよく働く蟻の集団。Bある程度働く蟻の集団,C全く働かない蟻の集団だ。信長はその割合が常に2対6対2になることを発見する。よく働くA蟻を排除して,B蟻とC蟻で再び仕事をさせるとB蟻C蟻の中からよく働くA蟻が現れ,割合は再び2対6対2になる。働かないC蟻だけにして仕事をさせてみても,よく働くA蟻とB蟻が現れてここでも2対6対2という割合になる。
どの蟻を選んでもA蟻B蟻C蟻はいつでも同じ2対6対2という割合で出現するのを発見したのは現代では北海道大学の先生で,今ではこれを「働き蟻の法則」と言うのだそうだ。
「信長の原理」では,働き蟻の法則を信長が発見しそれが人間にも当てはまると考えて,武将達の人事管理に生かしていく。生かしていくと言えば聞こえはいいが,実際には働かなくなった武将は殺すか追放の処分だ。最後に誰が働かない蟻になるか,つまり誰が役に立たない武将になるかを信長が見定めようとするところで,本能寺の変が起こる。結局2対6対2の最後の2の武将は光秀だったというエンディングだ。
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