スズメバチ

スズメバチは毎年のようにテレビのワイドショーに取り上げられる。今朝もモーニングショーで取り上げられていた。肉食で，猛毒だからハチの中では一番恐れられているスズメバチも新型コロナウィルスの流行にあわせて今年は数が増えているそうだ。
実はそのスズメバチの被害者？が私だった。
昔，木の上にスズメバチの巣ができていたので素人考えで退治のために巣に近づいた。バイクのヘルメットにゴム手袋という出で立ちで巣を取り除こうとしたが，ゴム手袋は何の役にも立たずゴム手袋の上からきつい一発。
あまりの痛さに慌てて逃げた。おのれ，と憤怒の私はゴム手袋の上に軍手をつけて再び挑戦。ところが私はバカだった。軍手はスズメバチががっちりと足を引っかけて刺しやすいらしく更にきつい針を３発。その時に刺された跡は半世紀近い時間がたった今でも残っている。あまりの痛さに，復讐に燃えた私の次の姿はスキー用のゴーグルに雨合羽，それにスキー用の手袋をはめて近づいた。何百匹いるか見当もつかない数のスズメバチが私のまわりを取り囲む。スズメバチが手袋に掴まって刺そうとしている様子を観察。針が反り返るように柔らかいところを探している。黒い剣のような針はしなるようにくねくね動く。しかし，さすがに皮手袋は貫けなかった。持って行った鋸で巣がぶら下がった枝を切り落とそうとすると巣の中から更にスズメバチが出てきて巣を守るために撃退行動が激しくなる。
鋸で枝を切り落とした途端，私のまわりを飛び回っていた数百匹のスズメバチがふっとかき消すようにいなくなった。たぶん，女王蜂が巣から飛び出し，その後をついて行ったからではないかと思う。
後は，迷いバチが一匹あたりを飛んでいるだけだった。まだ，30にもなっていなかった頃の話だ。