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老衰死 [シルバーウィングでGO]

老衰と言うと大往生というイメージだ。家族に看取られて静かに息を引き取る。葬式もじめじめした雰囲気ではなくむしろお祭り的な明るさが伴う。
私の祖父が亡くなったときがまさに大往生といって良さそうだ。私が9歳か10歳ぐらいだったか,知らせを受けて自宅に帰ると,大勢の人が祖父の枕元に膝を並べていた。白衣を着たお医者様がじっと祖父を見つめている。細くなった祖父の足の先が布団から出ていて,時々ぴくっと動いた。しばらくしてその動きもなくなり,お医者様が臨終を告げた。苦しむわけでもなくまさに眠るが如しで,いつ死んだのかさえ判然としなかった。明治元年生まれ,90歳だったと聞く。
4年後の祖母の時も老衰と言ってよさそうだが,学校から帰ると顔には既に白布がかぶせてあった。白布をとって顔を見たがいつもより少し白い顔で眠っていた。
さて,老衰死の割合は戦後減って来たそうだが,21世紀を越えてから少しずつ増え,とうとう今までの3大死因に割って入ったそうだ。つまり,長生きの人が増えたということだろう。この状況を喜んでいいのか実はよく分からない。勝ち組負け組自己責任という言葉が表すように,なんだか生きにくい世の中になっているような気がするからだ。日本は先進国の中で,子供の貧困率がとても高いんだそうだ。そんなに長生きしなくてもいいよと言う声が聞こえてきそうだ。

老衰という亡くなり方は人間だけだろうなぁ
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