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芝野虎丸新名人 [シルバーウィングでGO]

名前を聞いたときは髭もじゃらの厳つい顔,太い腕で,バシッと石を打ち付ける碁打ちを思い浮かべた。ところが実際の芝野虎丸は19歳の優男だ。石を打つというイメージも変えた。音なしの構えと言ったらいいのだろうか,全く音がしないようにそっと置く。ところが石の主張はすさまじい。多少たしなみのある人なら,碁というゲームでそんなところに置いていいのかと疑問に思うはずだ。井山裕太は正確で克明な読みで他を圧倒してきた。「そこまで深く読むか」と言う印象だ。読みの深さが常人ではない。ところが,芝野虎丸の碁は,克明な読みではあるが,「そんな手も読むのか」という碁だ。え?そんな手があるのかと相手は完全に意表を突かれる。しかもその手を迷わずに選ぶ。迷わないから着手が早い。いままで名人位にあった張栩も早打ちだが,芝野虎丸は更に輪をかけて早い。だから下手をすると二日目の夕食前に決着するのではないかと心配した。
一局目にそれが現れ,芝野虎丸にはそれが災いしてしまった。いや,まず囲碁ではなく圧倒的に芝野虎丸が勝っていたのに,早く終わろうとしたことに気を使ってしまったのか,変な手を打って張栩に逆転された。あの碁は,素人目にも負けようのない碁だったので,4連勝で名人位になっていたかもしれない。
ともあれ,すごい19歳が現れたものである。このあと碁会の第一人者である,井山裕太とのタイトルをかけた番碁が楽しみだと思っていたら,もう王座戦の挑戦権を勝ち取っているらしい。これは面白い。
長い間第一人者として頑張ってきた井山裕太も,度重なる挑戦手合いでやや疲れ気味で7冠から4冠に後退してはいるが,その実力は折り紙付きだ。井山裕太も芝野虎丸名人誕生に刺激を受けているに違いない。これまで以上に激しいせめぎ合いの碁が楽しめそうである。ただし,私にどの程度石の意味を理解できるかだなあ。

こんな問題,虎丸なら一瞬だろうなあ
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