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アルハンブラの思い出 [シルバーウィングでGO]

天気も良く、久しぶりに我が山の神に乗ってもらうことが出来て、シルバーウィングは上機嫌だった。いつもながら、二人の大人を乗せても、その力強さ変わらない。アクセルには敏感に反応して、高速道路でも車の流れに乗り遅れたりすることは全くない。瞬時に2~30キロの速度変化に対応できる。いや、さすが。
目的地は下の娘の住まい。近頃結婚して、連れ合いと足立区のアパートに住むようになった。私と我が山の神を、シルバーウィングはこのアパートまで1時間とかからずに連れて行ってくれる。
土曜日とあって、高速道路はすいていた。実に順調なドライブでまさしく高速道路。それに、最近つけたETCのおかげで、料金所もフリーパス。快適きわまる。料金所毎にとまって我が山の神が財布を出す必要が無くなったのはまことに有り難い。
高速道路を降りて、5分も走らずに我が娘夫婦のアパートである。小さなアパートで以前はある会社の社員寮として使われていた建物だったという。
エレベーターはなく、徒歩で3階まで上る。実は、このアパートに入るのは私は初めてである。山の神は何度か来ているらしい。建物の中はきれいで、思ったより遙かに快適に過ごせるアパートのようである。
中に入ると娘の連れ合いの方から丁寧な挨拶を受ける。座るとその連れ合いの方が立って珈琲を入れて下さる。
「おいおい、お前がやる仕事じゃないのかい」
「うん、でも、私がやるより、彼がやる方が美味しい珈琲が出来るの」
「・・・・・・そうか、それはそれは」
なんとも、返事のしようがない。
この連れ合いの方は、ギターが上手らしい。そう言えば、下の娘がまだ家にいる頃、ギターを手に入れてポロンポロン鳴らしていた。それどころか、先生について習うと言い出したときには、いったい何の風の吹き回しかと訝ったものだ。つまり、こういうことだったのか。
別の部屋には、そのギターが何台か置いてあった。
「何か聞かせてくれませんか」という我が山の神の求めに連れ合いの方は気軽に応じて、「アルハンブラの思い出」を弾き始めた。
ちょっとでも音楽をかじった人なら知っている、タレガ作曲のギターの名曲だ。実は、私も昔この曲に挑戦したことがある。難しすぎて全くものにはならなかった。
娘の連れ合いにとって、この曲はおそらく難しい曲ではないだろう。どちらかと言えば、技術的には簡単な曲の部類ではないかと思う。演奏は全く渋滞することが無く、実に見事だった。
ベートーベンはギターを小さなオーケストラと言ったときくが、この曲では、メロディーはトレモロで、伴奏は親指で、聞く者の心を豊かにさせてくれる見事な音楽を紡ぎ上げている。
娘はちょっと心配だが、彼のギターには感心しながら帰途についた。

この文章を書いていると、庭から犬の鳴き声がうるさい。隣で飼っている3匹の小さな犬が、こちらの庭にそろって吠えてくる。我がマルコは、塀越しにジャンプして対応するにのだが、そのうち知らんぷりになる。そうそう、構わないのが一番。マルコ、偉いぞ。

http://www008.upp.so-net.ne.jp/bunkoh/


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