オリンピック詐欺

前回の東京オリンピックの開催初日は10月10日だった。それが体育の日の祝日にもなってきた。さて，今回のオリンピック時期は8月だ。競技によっては東京の暑さが重大な障害になる。特に長距離を走ったり歩いたりするマラソンや競歩には命の危険すら感じるような暑さである。日中はもちろん一番気温の低い日の出直前ですら30度を越える日が続く。
国際オリンピック委員会はあまりの暑さに危機感を覚えたのだろう，競歩とマラソンの開催場所を北海道にしたらと提案してきたそうだ。
大体にして，8月に東京でオリンピックを開催するなんて狂気の沙汰だ。なぜ，2ヶ月遅らせて10月にしないのだろう。聞けば，立候補するに当たって，8月開催が条件になっているそうだ。東京8月開催が無理なことは，立候補する方も，開催地を決める方もはじめから分かっていたはずだ。
なぜ8月に拘るかと言えば，その理由は決まっている。オリンピックの商業主義化が根底にある。要するにもうけ主義だ。
アメリカのスポーツは春は野球に始まって，冬のアイスホッケーまで多彩だ。8月は，その隙間に当たっていて，アメリカの放送局がオリンピック放送に金を払いやすい時期になっている。時期によっては人気スポーツとバッティングするからアメリカ放送局は巨額の放映権料を出さない可能性が高いわけだ。国際オリンピック委員会が儲けを優先すれば8月という時期にならざるを得ない。
さてオリンピック開催決定によって復興が加速されたかと言えば否である。人はオリンピック関連に持って行かれ，資材は高騰し入札不成立が多発した。復興オリンピックという詐欺のようなキャッチフレーズに踊らされてきた結果がこの始末だ。北海道で開催して東京オリンピックでは二重の詐欺だ。

台風一過