敦賀で三人殺害

敦賀市で71歳の女性が夫，舅，姑の三人を殺害するという事件が起きた。殺害理由は介護疲れだそうだ。夫は脳梗塞で体の自由が利かず，舅，姑は90歳代の高齢だ。三人の介護を一人で続けてきて疲れ果て，たぶん思考力もすり減って楽になりたい一心で殺害に至ったのではないだろうか。
もしかすると，殺害された三人に首を絞めてくれと頼まれたのかもしれない。思考力が鈍っていればたとえ首を絞めても，人助けをしたのであって殺人に問われないと思ってしまったのかもしれない。真実は明らかにはならないかもしれないが，レアケースではないと言われるそうだから，事件のある程度の輪郭は浮かび上がってくるのではないだろうか。
それにしても哀れなものだ。この女性の評判は近所の人の話ではすこぶるいいのだそうだ。思いやりのある女性だからこその犯罪かもしれないと言ったら誤解・曲解だろうか。
福井県は三世代同居の比率が高い県だそうだ。当然，親を子が世話をする場面が多くなるだろう。舅，姑を介護するのは嫁としての義務と捉えられているのかもしれない。家族思いの嫁であれば期待に応えようと懸命につくすだろう。あげく，悲惨な結果を生んだと言えないだろうか。
さて，政治家はこの事態をどう受け止めるかだ。単なる社会の一隅の殺人事件と受け止めるのか，少子化が進み介護施設不足に悩む市民の共通の問題・課題と受け止めるかだ。
最近野田市船方の特別養護老人ホームへ介護ボランティアに行っている。実に快適な空間で職員の笑顔に安心しきって高齢者が介護を受けている。敦賀にもこんな介護施設が充実していたら，こんな悲惨なニュースに触れずにすんだかもしれない。