水道料金不払い：山の神とシルバーウィング：SSブログ

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水道料金不払い　[シルバーウィングでGO] [編集]

山梨県に北杜市という所があるそうだ。聞き慣れない町だと思ったが，平成の大合併で出来た市だそうだ。その北杜市で騒動が持ち上がっていると聞く。水道料金の不払いを続けている地区があると言うことだ。合併前の町で水道事業が黒字だった地区は，合併により値上げになり，赤字だった地区は値下げになったことが納得いかないというのである。
市側は不払いを続けるなら水道の供給をストップさせると，不払いの地区に通告しているそうだ。不払い側はそうはさせないと仮処分の申請をしていると言うことで，その結果次第では，水がない生活を強いられる人が出てくることになる。
たとえ，電気が無くても何とか生活は出来るだろう。生きていく上で，何はなくとも水は必要である。その水を止められて住民の健康や生命に問題が生じた場合，そっちの方が大問題になる可能性が高い。たぶんだが，不払い側の仮処分申請は認められるだろう。
しかし，それでも根本的な解決にはならない。「なんだ，払わなくてもいいのなら」とあっちでもこっちでも不払いが横行する事態になるかも知れない。そうなっては大変だ。それこそ，自治体による水道事業は破綻し，民間に委託してしまうことも考えられる。そうなっては大変だ。
さて，不払い側の言い分だが心情的には分からなくもない。合併したために赤字だった町の費用を黒字だった我々が負担しなければならないのはおかしいと考えたのだろう。しかし，合併によって様々な利害得失が生じてきたはずである。道路や河川の整備，ゴミ処分の方法や処分場，費用負担など多岐にわたるはずだ。それを，それぞれについてどこの地区はもっと負担をしろ，どこの地区は負担を減らせなどとやっていけるはずがない。そんなことを考えては市町村合併そのものが実現不可能になる。
私の住んでいるところは千葉県の野田市である。野田市も関宿町と合併し，新たな町として出発した。しかし，この合併は対等合併ではなく吸収合併である。
過去の歴史を考えれば，関宿藩のあった場所だから野田という地名よりも関宿の方が由緒ある地名だと考えるのが普通だろう。しかし，関宿町は吸収合併に甘んじた。そして，それが正しい選択だったと思う。合併によって議会議員がいなくなるとか金が回ってこなくなるとか言い立てて，合併を阻止した小さな自治体もあるようだが，関宿や江戸川を鋏んで埼玉県側にある庄和町などは，ずっと先を見越して，合併した方が住民のためになると賢明な判断をした。
合併によってもしかすると仕事が少なくなった事業者もいるかも知れない，負担感が増えてなかなか行政サービスが実感できにくくなった地域もあるかもしれない。しかし，長い目で見れば，あの時決断して良かったときっと思える時が来るだろう。北杜市の住民達も，そんな意識で行政を助ける試みを始められないものだろうか。

野田市にはこんな所もある