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熊沢容疑者はなぜ相談しなかった [シルバーウィングでGO]

息子を殺害したとして,元農水事務次官をつとめた熊沢容疑者に,検察は懲役8年を求刑したそうだ。
殺人に対して刑が軽すぎないかと思ったが,情状酌量の事実があったそうだ。殺された息子の家庭内暴力がひどく,長女は息子のために結婚を破談にされ自殺していたそうだ。それだけでなく母親も自殺未遂を起こしていという。気の毒と言うしかない。ただし,犯した罪は殺人だ。決して許されることではない。
この熊沢容疑者がなぜ警察などの機関に相談しなかったのか,相談していれば殺さずにすんだかもしれないという意見があるようだ。確かに,自分で抱え込まずに誰かに相談していれば違う結果になったかもしれない。しかし,あくまで「かもしれない」だ。必ずそうなったとは断言できない。もしかすると,熊沢英一郎が逆に殺されたかもしれない。
警察に相談したら,警察は親身に相談に乗ってくれただろうか。警察は,熊沢容疑者になんと助言できるだろう。警察は彼の息子に,何か諭してやれるだろうか。もしも警察に何か言ってもらうと,家庭内暴力はいっそう激しくなるかもしれない。かもと言うよりいっそう激しくなり,下手をすると,熊沢英一郎の身の安全が更に脅かされる可能性が高い。万一の場合は逆に殺害される事態だって考えられる。「子供を暴力行為や傷害罪で訴えさせる」という手もあるが,息子を警察に訴えるという方法は親としてはたぶんできない。
大体にして,警察が親身になって相談に乗ってくれるか疑問だ。ストーカーで身の危険を訴え,相談した女性が,相談してしまったために殺されたという事例が頭をよぎる。警察は,何かあれば動くが,具体的になにも発生していないと動かないという事例をよく聞く。口では「相談してくれたら」などとうまいことを言うが,実際に相談してみると,え!?と思うことがあるわけだ。
昔,盗難品と思われるバイクがいくつも折り重なるように狭い排水路に捨ててあった。もちろん私は警察に通報した。しかし警察の答えは「排水路の管理者に通報してください」だった。呆れて二の句が継げなかった。警察は,できるだけ面倒な仕事は避ける。困って相談しても,門前払いの可能性が高い。起こった事件について,まことしやかに,相談してくれたらよかったのにと言うだけだ。
被害者は44歳だそうだ。親が優秀すぎてまぶしかったのだろうなぁ。打ち解けて話せる人が一人でもいれば人生の価値ももっと高められただろうにと,不憫でしかたがない。いやいや,可哀想なのは熊沢容疑者の方かもしれない。家庭はめちゃめちゃ,娘は自殺,奥さんは生きる気力を失い自殺未遂,熊沢容疑者は自らの手で息子を手に掛けた。慰めの言葉も見つからない。
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