連帯責任

戦争では一人のミスが全体の命取りになる可能性が高い。だからなのだろう，連帯責任が負わされる。
東海大学の野球部で一部の選手が大麻を吸っていたことが報道され，野球部は活動を停止したそうだ。以前，日大のアメフトの問題の時もそうだったが一部に行きすぎた指導があったとしてしばらくの間試合に出られなかった。
なぜ一部の者の不始末でまともに活動していたほかの選手までバッシングを受けなければならないのだろう。一人一人の選手は理不尽だとは思わないのだろうか。
大麻を吸っていた本人は退学処分などの責任をとらされるのは仕方がない。しかし，知らないところで誰かが手を出した大麻にまで責任をとらされるのはおかしいとは思わないのだろうか。
みな寮生活なので同じ空間で生活してはいるといっても部屋が違えば知る由もない。特に最近は，個人としてのプライベートな空間が尊重される傾向が強い。気がつかなかったとしても不思議ではない。知らなかったとしたら，その責任はとりようがないはずだ。気がついていたとしても，止めさせなかった責任は誰が負うべきなのか。知っていたら通報する義務を負うかもしれないがその罰は，試合に出られないほど厳しくしなければならないのだろうか。
スポーツ団体の連帯責任性は昔の軍隊の名残ではないかと考えるときがある。
誰かが失敗すると全員が罰を受けることにしておけば，同じ釜の飯を食った同輩に迷惑はかけられないと一人一人がなお一層失敗できないよう意識させられる。失敗しようものなら鉄拳制裁を覚悟しなければならない。それも軍隊と同じだ。つまり個は組織のために存在するという考えだ。