上が上なら下も下

緊急事態宣言が出ても，人の流れがなかなか減らなかったがさすがに自粛ムードが広まってきた。自粛通達では，お酒は5時から7時までということになっているが，若者の中には夜遅くになって飲みに出かける人が沢山いたようだが店が閉まっていては出かけるに出かけられないようだ。しかし，海にはサーフィン客が押し寄せている。海なら平気だと思っているのだろうが猿の浅知恵。波打ち際は，人が人を洗っている。
先日のテレビの画面には潮干狩りに出かけている人の姿が大勢映っていた。なんとそこは入っては行けない場所になっているが，子供連れも禁止表示を無視して砂浜に入っていく。ああ，あの子供はどんな人間に育つのだろう。「赤信号 一人で行っても 怖くない」人間になるんだろうな。
そんな人が感染すると，うつったのは政府や知事がちゃんと対策をとらなかったからだと口を極めて非難するだろう。身から出た錆であることを棚に上げて，さも自分は被害者であるかのような振りをする。こういう被害者面をした感染拡大者があっちにもこっちにもいると，いわゆるクラスターと言われる感染群が構成され，それが次々に広がって行くわけだ。中には症状が不顕性の人もいて，その人は自分でさえ気づかないうちに大切な人を巻き添えにしていくわけだ。そうなると，もう止まらない。
勝手に動き回る輩は無法者と変わらない。病原菌をまき散らす無法者は西部劇の世界では正義の保安官がパーン・ドキューンで解決してくれるが，法の力が支配する今の日本では歯がゆいながら如何ともしがたい。
上が上なら下も下，証拠を突きつけられてさえ知らぬ存ぜぬを通す上を，下は真似るんだろうなぁ。
昔の人はうまいことを言ったもんだ。「上好むところ下これに倣う」