秘書が秘書が

桜を見る会の費用を補填していたことが明らかになって，安倍首相は弁解に大わらわだ。秘書から嘘を伝えられていたと言う話を繰り返しているがにわかには信じられない。秘書がやっていたことは安倍晋三に代わって行っていたことだ。だから最終的には安倍晋三が責任を負わねばならない。
どこかの催しで国会議員の秘書が挨拶をする。それは国会議員の代理として挨拶しているのであって話した内容は秘書ではなく議員本人が責任を負わねばならない。
会計責任者が秘書になっているとしても，その会計の最終責任は議員本人が負わねばならない。
国会では安倍首相は補填はしていなかったと断言している。検察から取り調べを受けていることが分かると「聞いている」に変わった。
「補填していない」と「補填していないと聞いていた」は同じではない。前者は明らかに嘘だ。後者は嘘とは言い切れないかもしれない。安倍晋三が国会で遣っていた説明は「補填していない」という嘘だった。これでは自分の責任は逃れられない。その嘘の釈明をしなければならない。うそをついていたことを国民に謝罪しなければならない。
それにしても，一人一人の参会者がホテル側から領収書を受け取っているなら一枚ぐらいその領収書が出てきても良さそうなものだ。それは，安倍晋三の言い分の証拠の一つになるはずだ。しかし，たったの一枚も出ていない。つまり，そんなものははじめから無かったと言うことに他ならない。ホテルは辻本議員の照会に「一人一人に名前の欄が空欄の領収書を発行したことはない」と文書で返答している。安倍元首相は明細書もなかったと言っているが，ホテル側は明細書を発行しなかったことはないと証言している。これも安倍首相の説明とは違う。
しかし，これだけめちゃくちゃな桜を見る会。参加者の中にはすねに傷を持つ住む世界が違う人が混じっていたとか聞く。テレビでよく見る顔の人も多い。彼らは功を遂げた人達ではなく人寄せパンダの類だ。まあ，安倍晋三そのものがポピュリズムの代表選手みたいなものだからな。

補填イコール寄付

公職選挙法では政治家の寄付行為を厳禁している。思い出すのは松島議員。法務大臣をしていたときに地元で団扇を配った。これが寄付行為と報道されて，任期途中で法務大臣の職を棒に振った。小渕優子経済産業大臣は地元住民をバスで歌舞伎を観に連れて行ってOUT。もしかして同じ頃だったかなあ。
松島小渕にして，えらい騒ぎだった。ましてや当時総理大臣の違法行為。秘書のせいにして口拭いだけでは許されない。検察も，大阪地検特捜部の汚名挽回のためにも秘書罰金刑だけの腰砕けでは「やっぱり」感は拭えない。検察も官僚の一部かとその存在を司法というより行政の一部と見るだろう。
補填は公職選挙法違反であることは明らかだ。団扇でさえ配ってはいけない代物だ。何度も選挙をくぐってきた秘書にしても議員本人にしても知らないはずはない。冠婚葬祭で包んで出す祝い金だって本人以外が持って行ってはOUTだ。今回は秘書が秘書がとその責任を秘書に負わせようとしているようだが，公職選挙法違反連座制で失職しようとしている河井議員と同じように，安倍晋三にも国会退去をしてもらわねばならない。
未来の評論家は，安倍晋三と菅義偉，二人の総理大臣にどういう評価を下すだろう。語彙の大きさは，宰相と言うだろうなあ。くっくっくっ。

小人数の表現にみる見識

東京都の小池知事が新型コロナウィルス対策として五つの心遣いを発表した。その中の小人数について少人数の間違いではと異論が出るかもしれない。
広辞苑で「小人数」を探すとすぐに出てくる。コニンズと読んだはずだ。「少人数」も小見出しとして出てくるがもともと日本語として使われてきたのは小人数の方である。
小人数の反対語は大人数(オオニンズ)だ。少人数の反意語を探すなら多人数になる。
初めて少人数と言う言葉が公文書に現れたのは確か平成9年だったか。平成8年度の同じ文書の小人数が平成9年度では少人数になっていることに気づいた。作った官僚が人数の多さ少なさなら「少」の方だろうと使ったのだろう。それ以来小人数は少人数になった。
数は「多い少ない」と言うから小人数ではなく少人数の方が適切だと考えるかもしれないが日本語にはそれなりの歴史がある。昔から数は大小でとらえてきた。その意味で小池都知事が心遣いの一つを小人数と表したのは一つの優れた見識だ。
地名でも宝珠花(ホウジュバナ)を(ホウシュバナ)に替えた馬鹿がいる。

自粛要請

♪あなたごのみの女になりたい♪
奥村千代の歌を思い出す。
コロナ対策にスカ首相と小池都知事が会談したそうだ。小池都知事はGOTO事業は国が決めることだと言っていたし，スカ首相は首長の考えを聞いて決めていきたいと主張していた。自分が決めたことではない。アンタが決めたことだから責任はアンタにあるという思惑だ。要するに責任をとりたくないわけだ。責任のなすりあいだ。それでふたりで話し合った結果が「65歳以上の高齢者と持病を抱える方への「都内からの移動自粛・都内への移動自粛」。つまり一言で言うとGOTOキャンペーンへの自粛だ。要するにGOTOで移動するかどうかは自分で考えて決めてください，ということだ。行くな来るなとはっきり言うわけではない。GOTOは割引やクーポンなどを用意してお安くしてありますからお得ですが，行くか来るかは自由です。65歳以上の高齢者や持病をお持ちの方は出来ればご遠慮いただきたいのですが禁止というわけではありません。GOTOに行くかどうかご自分でお決めください。
そりゃ行くかどうかは自分で決めるよ。隣の人が腹が減ったからと言って飯を食いにいく人はない。
専門家は既に一人一人の個人の行動で対応出来る状況は過ぎた，と言っている。あなた任せではなく「私に任せなさい」と言うべき時にきているのに未だに政治はあなた任せを続けようとしている。
12月を迎えて，コロナは益々増殖しようというのに政治は手を込まぬいているばかり。元々65歳以上はあまり動かない。65歳未満の若者世代は「政府と都のお墨付きが出たぞ」と大喜びだろうなあ。勿論，コロナウィルスも喜んでいるだろう。ああこれでは政治家を総とっかえしなくっちゃ。

親子の定義

親子についての定義が難しくなっている。常識的に考えれば両親の間に産まれた子供とその両親が親子関係だ。ただし，前出の他に法的に親子関係が出来ることがある。いわゆる養子だ。多くは子供が幼児の時にもらわれた子供だ。
ただし自分の子供を生みたくて様々な生殖活動が医療として行われるようになった。女性に問題が無く男性側に問題があるときは，第三者からの精子で体外受精させ女性が受精卵を体内に戻し妊娠出産することがある。逆な例もあるだろう。第三者の卵子を夫の精子で体外受精させそれを女性が体内に戻して出産する方法だ。しかし，戻す女性が第三者ということもある。この場合子供が誰の子供かという深刻な問題が発生する。こういう場合，事前に代理母と卵子や精子提供した本来の親とで生まれた子供を引き渡し，一定の金額を謝礼として受け取る契約をしているが，実際に生まれた後になって産んだ女性が私の子供だと主張し引き渡しに応じないことがある。
このような事態に対処するために生まれてくる子供の親は誰かと言うことを法的に決めておく必要がでてきた。
16日に議員立法で国会提出された「生殖医療関連法案」では，受精卵が誰のものかにかかわらず，母親は産んだ女性，父親は精子を提供した男性ということになっているそうだ。母親は遺伝子に拘わらず出産という事実のままに，父親は夫婦間の男性ではなく精子提供者，つまりは第三者が父親と認定される可能性が否定できない。いや，そんなことはあり得ないと言われるだろうが，小説は事実よりも奇なりでどんなことが起こるか分からない。
一般には精子提供者は分からないようにして管理しているはずから，子供が大きくなってから出自を確かめようと思っても出来ないことになる。
この法律は，論議が後を引きそうだ。

金目当てと分かっちゃいるけど

核のゴミの最終処分地の文献調査に手を挙げた寿都町と神恵内村の目当ては20～90億円の金だ。それ以外の何物でもない。この後の概要調査から精密調査に進むとき知事が反対意見を言うとそれ以上は進めない決まりだそうだから，寿都町の町長も神恵内の村長も知事を当てにしているだろう。大丈夫。知事はストップするから。北海道には処分場は出来ないよ。
さて，はなっからお金目当てと分かっているのに，国が文献調査に応じるのは，藁にもすがりたいからだろうか。誰だって二つの自治体のねらいは見え見えだ。金を受け取ったら「はい，それまでよ」で終わりになるはずだ。それは分かってはいるが間違って処分場が出来ないだろうかと夢でも見ているのだろうか。
確かにこのままではいわゆるトイレのないマンションと同じだ。日本中の原発に溜まっていく原発のゴミはもうこれ以上置き場がない状態らしい。それでも原発は動かし続けるつもりらしい。
最終処分地がもし決まれば数百メートルの地下に埋められるのだそうだ。そのまま十万年の間，地下深く閉じこめておく訳だが，地殻変動があってそれが地表に現れることがもしもあったらこれは大変だ。さきの原発事故では福島の町が住めなくなって困ったが，それがもっと大きな規模で起こるとしたら被害は今の福島どころではなくなるだろう。だからこそ「文献調査」「概要調査」「精密調査」の段階を経なければならないのだろう。地核的に安定している地層に埋めなければならないわけだが果たして火山活動が活発な日本列島にそんな地盤があるのだろうか。
寿都町と神恵内村が辞退した後，批判が殺到するだろうが，何，蛙の面にしょんべんだ。その後，また金目当ての自治体が手を挙げるだろう。冷ややかにしかし指をしゃぶって回りの自治体はうらやましげに次の20億をねらう。
さて，最終処分地が決まらなくても原発は今後も動かすのだろうか。電源の「ベストミックス」には原発が入っているが，たぶん新たな電力源を見つけなければならなくなるだろう。それが風力なのか潮力なのかまだ分からないが人類はきっと革新技術でこのピンチを切り抜けるだろう。

PCR検査

どうも歳なのだろう，あちこち痛むようになってきた。まず，顎の左下の痛み。非常に痛いというわけではない。かすかな痛みだ。舌下腺のあたりがちょっと痛みを感じることがある。手で触っても何も触れない，痛みが増すかと言えば逆に薄らぐ感じだ。かかりつけの先生に専門の先生を紹介してもらい，CTスキャン検査もしてもらった。映像を見せてもらったが何にも映っていなかった。結局異常なしと言うことで終わった。次の痛みは左手親指だ。こちらの痛さはかなりはっきりしている。ものをつゆこもったり左手をついたりしたときにかなり痛い。ただし，日常生活に重大な支障があるかと言えばそうではなく何とか食事作りなども出来る。お医者さんへ行って診てもらった方がいいかなんて考えていると次の痛みだ。
今度は喉が痛い。ぎょっとする。まさかコロナでは。万一コロナだったらえらいこっちゃ。熱はない。低いくらいだ。喉の中を照らし手鏡でのぞいてみる。どうなんだろう。赤くなっているのかどうかの判断も付かない。27日はいつもの通院の予定だった。60日ごとに薬をもらっている。ただし，今回は事情が事情だ。突然直接通院するわけには行かない。まず電話をする。そうすると熱があったり喉が痛かったりすると「発熱外来」の扱いになり，指定された時間に裏口から医院内に入れられた。電話ではPCR検査は唾液の検査で行うという話を聞いていた。中にいた看護師は完全防備姿だ。私も手袋にマスクの上からフェイスシールドを装着して相互にウィルスが移動しないような体制にする。現れたかかりつけの先生もフェイスシールド姿だ。口の中を覗いていつもより少し赤みがかっているとの見立てだ。それで少し痛みを感じたのかもしれない。先生が去って看護師から小さなプラスチックの入れ物を渡されてその中に唾液を溜める作業に入る。後で聞いたら，高齢者の中には唾液がなかなか出ない人もいるんだとか。私は何とか5分ぐらいで溜めることが出来た。
やれやれ，とはいっても唾液を検査に出して明日以降でなければ結果は分からない。電話で知らせが入ることになっているが，万一陽性なら我が山の神には確実にうつっているはずだ。どうか陰性でありますように。

捜査中だからコメントできない

野党が安倍晋三事務所の政治資金報告書の不記載問題で政府に答弁を求めたが，菅総理は現在捜査中だと言うことでコメントを控えたそうだ。いつものことだ。下手な説明や間抜け答弁をして追求されないように答えない方がよいときの方便と使われる，「捜査中だから････」
この，返答にいつも不信感を抱くのは私だけではないだろう。司直は司直としてその義務を果たせばいいし，国会は国会としてやるべきことがあるはずだ。どこかが手を着けているから国会は手を出せないと言うのでは，国会の権能は司直以下と言うことなのだろうか。
憲法には第四十一条に，国会は国権の最高機関である，と書かれている。司直よりも重い権能を有しているのは明らかなのに，都合が悪いから司直を隠れ蓑にして，頭かくして尻隠さずを地で行ってしまう狡さにあきれ果てる。
国会の場ではあらゆることを話し合い，あらゆることを議題に乗せ国民の代表として解決の手だてを探っていかなければならない。
どこで間違えたのだろう。ちょっと頭の良さげな官僚が考えつくような話だが，原則に戻れば迷う必要などさらさらない。

何を持って虚偽とするか

官僚らしい考え方だなあという記事が見つかった。森友問題に際して安倍政権の答弁のうち事実と違う答弁が139回あったという記事だ。その中の「何を持って虚偽とするかは議論の余地がある････」という大鹿行宏理財局長の言葉が気になった。
この大鹿という人「『虚偽』」とは何か」について深く考えたことがあるんだろうなあ。「事実とは違うことを説明する」「本当のことではないことを言う」「嘘の話」なんていう普通の考えとは違う「虚偽」ってどんなことだろう。嘘か本当か聞く人を惑わせる言説などと言うつもりだろうか。質問されたのはあるかないかだから答弁は「yes,no」で始められる内容だったはず。それをことさら難しげに「虚偽とは」というその神経が分からない。
こんな枕詞を聞かされると「虚偽だった」を「虚偽でなかったとは言えない蓋然性が低くない」てな言い方をするのかもしれない。
ほんと大鹿氏の「嘘」と「虚偽」の定義を聞きたい。

国会での嘘偽答弁隠し通せなかったか

安倍晋三元首相は桜をみる会の会費が5000円でそれを決めたのはホテル側だと言い張ってきた。参加費は安倍晋三事務所が集めたがすぐにホテルに渡したと言い訳している。収入支出にはならないと主張しているそうだ。いったん安倍晋三事務所側が集めたのならそれは形式的には収入になるように見える。百歩譲ってそれは収入ではなかったとして，あのホテルでは最低でも会費は1万円を超す金額でないと開けないそうだ。民間会社だから赤字の設定はないだろう。足りないとすれば安倍事務所で不足分を補填するのは当然の成り行きだ。その際，領収書を発行しないと脱税になる恐れが強いから必ず領収書は発行するはずだ。実際に発行されたらしい。それでは，安倍晋三の国会答弁とは矛盾する。下手をすると安倍事務所に家宅捜索が入り選挙責任者か政治資金管理者の手が後ろに回ることになりかねない。
安倍晋三はそういう事実とは知らなかったと秘書に責任を負わせるだろう。それが通用するかどうか。最終責任は安倍晋三だ。
国会はハチをつついたようになるだろう。いや，そうならないとしたら逆におかしい。野党だけでなく与党自民党の国会議員もだまされ続けていたことになる。それでは怒らざるを得ないだろう。
桜を見る会は本来なら国のために功績を遂げた人の苦労を慰労し感謝する会だったはずが安倍晋三の時から後援者や取り巻きだけを並べる個人的な意味合いの強い桜を見る会に成り下がった。
歴史家は安倍晋三のことをどのように評価して記述するのだろうか，マリオネット宰相とでも書くのだろうか。
それにしても嘘を隠し通せなかったのかなあ。トランプのことを笑えない。プーチンのことを笑えない。
※マリオネット(marionette操り人形)