カメラ

「デジカメ」は三洋電気の登録商標なので，勝手に宣伝に使うことは出来なかった。ただし，デジタルカメラ市場で三洋のシェアは非常に小さくニコンやキヤノンにデジタルカメラ市場は持って行かれた。
私が初めてデジタルカメラを手に入れたのが，デジタルカメラメーカーとしては小さなカシオのQV10だった。画素数が確か25万ぐらいだったかと思うが結構な値段がした記憶がある。画像データはテープに記録した記憶だ。その後キヤノンのイクシーを経て，一眼レフにたどり着いた。一眼レフもAPSからフルサイズにして現在に至っている。この間，デジタルカメラ市場は鰻登りだった。今では，フィルムカメラは化石のような存在になっている。私のミノルタXDも段ボール箱の中で眠っている。
ところが，そのデジタルカメラが瀕死の状態らしい。カメラが減ったわけではない。インスタグラムという言葉でわかるように世の中は写真であふれかえっている。
前日，伊勢神宮で天皇皇后両陛下を一目見ようと集まった人々の手にあるものは，お二人の姿を写そうという目的で高く掲げたスマホだ。多くの人がスマホのカメラ機能で撮影している。
私ならレンズを入れると2キロ近いフルサイズのカメラを一脚に載せるだろうが，大勢の人はポケットやバッグから手軽に取り出せるスマホで撮影する。撮影した写真の品質は一見大きなカメラで撮った写真とそれほど違わない。
なるほど，デジタルカメラが減るわけだ。そんなカメラは必要がない。スマホは動画も撮れるし，撮った写真や動画をそのまま誰かに送ったり，インスタグラムに投稿できたりする使い勝手の良さもあるわけだ。
昔，パソコンが8ビットから16ビットに変わった頃，いつかスマホがパソコンにとって代わる時が来ると予言した識者の慧眼に驚くが，カメラ機能までは予言に入っていなかったと記憶する。

QV10は，さすがに動くことはなかった