復元

「復元できないと聞いている」菅官房長官の苦しい答えが繰り返される。記者は執拗に質問する。「技術的に出来ないのか，復元できない決まりなのか」。答えに詰まりながらも菅官房長官は「事前に決められた通りに(削除)している」と誰かに言われたことを繰り返す。
官僚が作った文書は100%保存してある。それも保存ファイルは一つだけではない。私のようなリタイア組でも一カ所だけの保存では，クラッシュが怖くて一度作った文書は必ず複数保存する。文書管理規定には保存するようにと言う規定はあるだろうが，保存年限が来たらすぐに廃棄しなければならないと言う規定は無いはずだ。省庁には保存年限を遙かに超える文書がごろごろしている。紙ベースの古い文書も，スキャナして，PDFファイルに変換して保存する丁寧さだ。桜を見る会の名簿だけ消しちゃったという説明は信じろと言う方が無理だ。
消すことはあり得ないが，百歩譲って消しちゃったとする。それでもデータファイルは復元が可能だ。もしもデスクトップ上の「ゴミ箱」に捨てたのなら，探して元に位置に戻すだけだ。もしも，それも捨てたりデータを入れておいたメディアがSDカードだったりUSBメモリだったりした場合，復元ソフトを使えばかなりの確率で復元できる。
実は，私も復元ソフトを利用している。私の場合は写真データの復元が目的だが，ドキュメントでも復元手順は変わらない。古希をすぎた私のような素人でも出来る。専門の業者に依頼すれば簡単だろう。
無理が通れば道理が引っ込むという政治では国民の信頼は得られないなあ。