将棋ソフト

社会福祉協議会発行の「社福のだ」を見ていると，特別養護老人ホームで「将棋やオセロ，囲碁などのお相手」をとの募集がボランティア情報の欄に載っていた。
囲碁なら多少お手伝いが出来るかもしれないと電話をしてみた。話を聞いてくれるそうなので行ってみると，現在の希望は将棋だそうで，既に将棋の盤駒がテーブルの上に載っていて，その日からお相手をつとめることになった。
3局指したが，たじたじとするほどで完全に相手が上だった。しかしそこはお年を召されてうっかりが多そうで，詰めの段階でミスを連発。3局とも私が逆転した。ご本人「詰めが甘い」と一言。
翌週も別の方も将棋を指すようで，お二人とそれぞれ二局づつ対戦。前の週対戦した方は攻撃型らしく棒銀戦法という奴らしく我が陣を簡単に破って進入。前の週と違って詰めも誤らない。連続ギブアップ。
次の相手も強かった。こちらはバランス型らしく，急には攻撃してこないが，チリチリと我が陣を痛めていく。気がつくとどうしようもなくあえなく連敗。お二人ともうれしそうだった。喜んでもらえたのはいいが，4連敗は余りにふがいなし。これではすぐに，「あんた相手じゃおもろない」と言われそうだ。そりゃそうだ。将棋は子供の頃亡くなったおやじ様に持ち歩3枚だけで負け，悔しくてちょっと練習しただけだった。碁で言うと有段者に飛車角落ちでも勝てないレベルだろう。
実は，我が家には碁盤もなければ将棋盤もない。そこでパソコンで将棋の練習をすることにした。現在の将棋ソフトは，1000円ちょっとでもかなり強いらしい。ネットで金沢将棋というソフトを注文しパソコンにインストール。準備は整った。お二人のお相手になれるように少しでも実力アップと行くかどうか。
さて，金沢将棋は強かった。レベルをかなり下げても勝てない。パソコンが哀れむのだろうか。時々，飛車や角を無駄に捨ててくることがある。それでも勝てない。
それでも何回かやっているうちにまぐれで勝ってしまうときがあった。私の腕が上がったのかと変な錯覚。そんなに早く結果が出るはずはない。
台風のあとの火曜日。施設のお二人と将棋を指した。勝てないまでもとにかく無様にならないように自分の陣が崩れないようにと細心の注意で駒を動かす。
不思議なことが起こった。次々に相手の駒をゲットし相手の攻撃手段がなくなっていく1戦勝利で万歳。2戦目も相手の大駒が動けなくなり難しいところで連続大手で詰み。なんと２連勝となった。お相手は，来週も来るかいと，リベンジの意志。
お二人目には，ラッキーはなかった。実力通りの結果に終わったが，とにかく4連敗の前回とは大違い。うんよかった。お二人はその後お二人での将棋を楽しまれたようだ。勝ったり負けたりの将棋だそうだ。