天皇制反対デモ

即位礼正殿の儀が行われ，日本中がお祝い気分に浮き立ち，世界からも政権の重要な地位を占める人や王族などがお祝いに駆けつけている。そんな中，天皇制に反対するデモが行われ，ちょっとしたもめ事もあったらしい。
さて，北朝鮮などの社会主義国ではこんなデモはまずあり得ない。万が一政権を批判するようなデモに参加することはまさに命がけの行為になる。それが民主主義国家では天皇制でさえ批判の対象になり得る。
ただし，天皇は憲法に規定される存在だ。天皇制を廃止するためには憲法を変えなければならない。実は，恥ずかしいのだが，天皇制廃止のための憲法改正論議を聞いたことがない。政党で言うと共産党が天皇制に批判的だったと理解しているが，その共産党も天皇制廃止のための憲法改正を国民に提案しているわけではない。現実的に国民の多くが天皇制に反対していない実情では選挙戦を進める上でも大っぴらに反対は叫びづらいだろう。
それはさておき，「一億総○○」と言うと戦争翼賛会を思い起こしてしまう。少数者・少数意見を排除し国家をひとつの考えに丸め込もうとする姿は戦前の日本だ。民主主義と言うには必ずと言って良いくらい異論が必要だと思っている。その意味で，天皇制反対デモが行われることは日本が民主主義国としてあるべき姿を示していると言って良いだろう。

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