上行下効

台風で茨城県を中心に流れる那珂川が氾濫したそうだが，氾濫情報を住民に知らせることを忘れていたと，国土交通省が陳謝の会見をした。決壊ではなかったようだが，氾濫によって周辺が泥水で溢れた。
命に関わる情報を忘れたのは，久慈川か決壊したのでその対応に混乱していたからだとの説明だが，情報が伝えられていたら 安全に関しても，財産確保についてもそれなりの対応が出来た可能性がある。
国土交通省は忘れたことについて陳謝したが，その結果について責任をとろうという姿勢は見せていない。住民は「ああ，そうですか忘れたんですか。仕方がないですね。これから忘れないようにしてください。」と国土交通省の対応に理解を示すのだろうか。
昔あったっけなあ。コマーシャルで猿が手をついて，「反省だけなら猿でも出来る」ってのが。
最近責任について，その考えがずいぶん甘い。追求を受けると「問題はあったが，その職にとどまって，責任を果たしたい」とシャーシャーと涼しい顔。
責任ある立場の者は，胸に辞表を忍ばせて職務を遂行する，なんて話があったが，現実には辞表を忍ばせるどころか，なんとか言い訳を考えるのが常だ。上行い下ならうとはうまいことを言うものだ。

左端が江戸川，右端が利根川の断面図　利根川もあぶなかった